WebLog for HDG

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ bLOG です。

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ WebLog です。

「HDG-Akane for Poser」進捗・2015.10.18

PoserPro2014 の DH(ダイナミック・ヘアー)について一席。
 予てよりトライしていた「HDG-Akane」用の DH なのですが、漸く、目処がついたので備忘録的に記述しておきます。
 
 今まで、従来の DH システムにてスタイリングとシミュレーションを行おうと努力してきたのですが、「HDG-Akane」のヘア・バンド(日本のみで「カチューシャ」呼ばれるアレ)で固定した髪型というのが Poser-DH では再現が難しく~ちょっと派手に動かすとヘア・バンドの下から髪の毛がはみ出るのを抑制できないのが悩みでした。髪の毛の根本部分をどう設定しても完全に固定できないのが原因で、その上、ポリゴンと衝突した部分のガイド・ヘアーがクシャクシャになってしまう悪癖は以前から、相変わらずなのでした。
 
 PP2014(Poser10 も含む)からは、DH のシミュレーションに物理演算も利用できるようになっていたのですが~以前、試した際に衝突検出のマージン値が設定通りに効いていない傾向が見られたので、いままでそれ以上の検証をしなかったのです。当面は従来(レガシー)のシミュレーションを利用すればいいや、と、その時は思ったので。しかし、前述の通り、従来のシミュレーション方式では「HDG-Akane」用の DH は行き詰まってしまったので、今回、改めて物理演算方式の検証を行ってみた次第。
 
 幾つか、テストをくり返している内に気がついたのは、DH セットのベースがフィギュアの場合とプロップの場合とで挙動が違うことでした。
 そもそも、「HDG-Akane」用の DH セットはペアレントで適用できる、ベースをフィギュアとして製作を進めていたのです。その方が適用しやすいだろう、と言う考えだったのですが。
 ベースがフィギュアの物に DH を適用して物理演算でシミュレーションを行うと、衝突検出が正常に反映されないのは、以前、検証した通りでした。これは、どう設定を変えても変わりなく、衝突対象のポリゴンを DH が素通りします。但し、「衝突検出のマージン値」を 0.05 よりも大きくすると突然、この設定が効き出すのですが~ここでマージン距離はおおよそ 5cm となり、距離が空きすぎで実用的ではないのです。せめて 5mm くらいでマージン距離設定が効いて欲しい。
 
 所が、ベースをプロップとして製作した DH セットは、プロップのポリゴンに対しては正しく設定通りのマージン距離設定で衝突検出が効くのを今回、確認しました。なのに、フィギュアのポリゴンに対しては DH セットがフィギュア・ベースの場合と同じ症状が発生する、と言うことを確認しました。コレの意味するところは、ベースがプロップの DH セットは、フィギュアにペアレントして使用する際、自身の身体に対して DH の衝突検出が設定通りに効かない(※マージン値が 0.05 以上なら設定通りに効くが実用的ではない)、と言うことになるのですが。
 しかし、プロップに対しては衝突検出が設定通り効くならば、例えば、DC 服になら DH の衝突検出が効く、と言うことで~これは、その通り確認できました。面白いことに、同じポーズにした「HDG-Akane」に DH セットを装着し、コンフォーム服(※フィギュア)を着せてシミュレーションすると、DH が素通りするのに対し、DC 服(※プロップ)を着せてシミュレーションを行うと DH が DC 服表面でストップするのです。
 ここまで分かれば、対応策は幾つか思いつくわけで。まず、顔面に DH が食い込まないようにするにはダミーのヘッド・オブジェクトを衝突対象指定・非表示にして DH セットにペアレントしておけばフィギュアの head に対して衝突検出の計算をしなくて済みます。しかも、ペアレントするダミー・ヘッドはフィギュアの head よりも簡略化したオブジェクトで良いので(耳の形状や鼻孔、口腔、眼窩などは不要)、衝突検出計算も楽になります。ポーズによって首などに髪が掛かる場合は、フィギュアの neck に円柱状のポリゴン(Poser プリセットのプリミティブ・プロップ等)をサイズを合わせてペアレント・衝突対象指定しておけば neck の代用に出来ます。身体については DC 服を着せれば用は足りるし、裸体の場合は…身体の代用・非表示プロップを作ってペアレントしておけば何とかなりそうです。
 
 物理演算を利用したシミュレーションは、従来方式よりも計算が十倍ぐらい速く、動作も安定しているのでコレが使えるなら、それに越したことはないのです。従来方式のように衝突部分のヘアーがクシャクシャになることもなく、綺麗なシミュレーション結果が得られるので、可能ならば積極的に使いたい所ですね。
 
 ともあれ、物理演算のシミュレーションがこのような挙動になるのは Poser のバグなのは間違いないので、それが修正されればそれが一番。 一応、今会期が付いたことは SM 社のサポートへ e-メールを送ってみたのですが、英語は苦手なので通じたかどうかは分かりません。なるべく早く修正されることを願うばかりです。 あるいは、次期バージョンでの修正になるのかも?
 
 最後に、以上の流れを踏まえて製作・設定した DH セットを使用したサンプル作品を掲載してこの項はお仕舞い。

[R-18] 【poser】「cock the hammer .2」イラスト/motokami_C [pixiv]