WebLog for HDG

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ bLOG です。

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ WebLog です。

STORY of HDG(序章.02)

序章

背景となる状況

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 『エイリアン・ドローン』の主たる攻撃目標は、『人工建造物』であると云われている。
 当初、『人類が迎撃行動を行うから、エイリアン・ドローンが破壊行動を起こすのだ』と論じる意見が有り、とある政府が迎撃行動を見合わせた事例が有ったのだが、結果、『エイリアン・ドローン』は人類側の迎撃の有り無しとは無関係に市街地に侵入し、建造物の破壊を続けたのだった。最終的には、その政府の軍隊が実力を行使して撃退するのに至ったのだが、結果として『エイリアン・ドローン性善説』は無駄に市民の財産を失わせただけだったのである。
 地上の建造物を破壊するのは、人類の抵抗力を削(そ)ぐためであるのか? と問われると、そうでも無いらしい。そうであれば、発電所や核関連施設、或いは油田や精油所等(など)、襲撃されても良さそうな重要施設は世界中に幾らでも在るのに、幸いにも、それらが襲撃された事例は無かった。
 その事から、襲撃者は破壊に因る環境の汚染を回避している、と唱える識者もいる。或いは、人類の抵抗等(など)、若しくは人類の存在すら意に介してはいないのかも知れない、との意見も有る。
 『エイリアン』は、彼らに取って邪魔な建造物を撤去し、何(いず)れは整地して必要な建造物を建てようとしているのかも知れない。そこに人類が居ようと居まいと関係無く。
 勿論、人類の存在を意に介していない様であっても、襲撃に対する人類側の迎撃に際して『エイリアン・ドローン』も反撃行動は行うので、迎撃する人類側に被害が出る事は避けられなかった。格闘戦を仕掛けて来る『エイリアン・ドローン』に対して、戦闘機や戦車の様な装備で対処する事は難しく、各国軍隊は極力、接近戦を避けるべく、早期発見の上で迎撃ミサイルに因るアウトレンジ攻撃を行うため、防空システムの充実を急いだのだった。
 
 成(な)る可(べ)く上空、遠方で飛行中の『エイリアン・ドローン』を捕捉して、陸上、又は海上に配備された長射程地対空ミサイルで迎撃し、そこを抜けた目標には戦闘機からの空対空ミサイルに因り迎撃。更に、それを潜り抜けた目標には、陸上配備の短射程地対空ミサイルや高射砲で迎撃する事とし、『エイリアン・ドローン』を成(な)る可(べ)く地上には到達させない様に防空網を厚くするのだ。それでも地上迄(まで)それらが到達してしまう場合は有り得るので、地上部隊の装備は、それに対応可能な装備への見直しを迫られたのだが、現時点で陸上・市街戦での有効な対抗兵器は登場していない。
 当面の対策として、それら防空網の構築と平行して、一般住民の避難用地下シェルターも各地都市部に、建設が進められたのだった。
 
 もう一つ、『エイリアン・ドローン』の行動の特色として、それらが昼間しか活動しない事が挙げられるだろう。勿論、暗い場所へ侵入しても行動が可能な事は確認されてはいるものの、夜間に襲撃を仕掛けて来た事例は未(いま)だ確認されていなかった。
 残骸の分析から、機体表面には受光素子(人類の知る『太陽電池』とは仕組みが異なり、詳しい原理は不明である)が敷き詰められている事が確認されており、これが光をエネルギーに変換する役割を持っていると推測されていた。だからと言って、襲撃者が外光に活動の全エネルギーを頼っている訳(わけ)ではないのであろうが、今の所、それらが夜間の行動を避けている事は、観測の結果から事実だった。
 ともあれ、『エイリアン・ドローン』が昼間しか襲来しない事は人類に取っては幸いで、夜間には襲撃に対する警戒を緩める事が出来るのは、被害の回復や、対策の構築を行う時間的余裕を生んでいたのだ。当然、防衛当局は襲撃者が戦略を変えて、夜間の襲撃を行うかも知れないと云う事を忘れてはいけないが、一般の住民に取って『夜は安心して休める』と云う事は、社会の安定に重要だった。
 
 防衛当局は防空レーダー網を監視し、襲撃者の飛来を察知すれば迎撃を行いつつ、それらが目指すであろう地域に避難警報を発令する。住民はそれに従い、地下シェルター等(など)指定の避難場所へ速やかに移動する。地域や国家に拠って幾ばくかの差は有れ、少なくとも日本では、その様な日常が定着していったのである。
 
 この様に、襲撃者と人類との攻防が均衡して、既に五年が経過したのだった。
 


- to be continued …-


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