WebLog for HDG

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ bLOG です。

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ WebLog です。

STORY of HDG(第1話.02)

第1話・天野 茜(アマノ アカネ)

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「勿論。うちは『兵器開発』を目的とした部活だもの。あなたは、介護用や産業用指向だったのかしら?」

「いえ、勿論、そう言った方向の技術も必要だとは思いますけど。わたしが興味があったのは兵器としての『パワード・スーツ』です。」

「良かった。その辺りのことを詳しく聞いてもいい?」

「そんなに、深い話じゃないですよ。昔から SF 小説やアニメとかに出てくる『パワード・スーツ』って言う兵器に興味があったんです。今はこういう世の中なので、あればきっと役に立つと思うんですよ、『パワード・スーツ』って。将来的には『天野重工』で開発できないかなって、この学校を選んだんです。」

「相当に珍しい志望動機ね。」

 二人のやりとりを聞いていた恵が、またクスクスと笑いながら言った。

「でも、うちには最適の人材だわ。」

 そして二人はまたクスクスと笑い合うのだった。

「あの、ひとつお聞きしてもいいでしょうか?」

 今度は茜から、鬼塚部長に問いかける。

「何かしら? どうぞ。」

 茜は、一息吸い込んでから、この部屋に入る前から抱えていた疑問を鬼塚部長に投げかけるのだった。

「どうして『兵器開発部』なんて、あるんですか?」

 一瞬の間があって、鬼塚部長と恵は顔を見合わせる。その様子を見て、茜は『聞いてはいけないことだったかも?』と、一瞬の不安に駆られたのだが、二人は真面目な顔で茜の方へ向き直り、鬼塚部長が話し始めた。

「それも、もっともな疑問だわね。…ちょっと長い話になるけど、いい?」

 茜は静かに頷く。

「この部活はこの開校当初からあるらしいのよ。天野重工に『防衛装備事業部』があるのは知ってると思うけど…。」

 『防衛装備』とは『防衛軍』が使う『装備』の事で、平たく言えば『兵器』の事である。

「…その防衛装備事業に向いた人材を集めるために、こんな名前の部活を作ったんだそうよ。『武器』とか『兵器』とかの技術に嫌悪感を持つ人もいるでしょう? だから、こんな部活に入る人なら会社側もリクルートを掛けやすいじゃない。 それで、最初の内はいわゆる『趣味の人達』が集まって、まぁ、研究活動と称して好き勝手やってたみたいね。 戦車、戦艦、戦闘機、拳銃…その手の資料が資料室に山のように残ってるわ。」

 鬼塚部長の説明を受けて、恵が笑いつつ話し出す。

「なかでも、拳銃に関しては相当の『好き者』が居たみたいね~結構な数の実物が資料として残ってるわよ。あれ、学校も処分に困ってるみたいだけど。」

「実物、ですか?モデルガンじゃなくて。」

「実物よ。内緒だけど、ご丁寧に実弾まであるの。」

「法律的にマズいんじゃ…。」

 鬼塚部長の追加説明に茜も困惑気味だったが、更に困惑を深める答えが返ってきた。

「それが、ちゃんと許可は取ってあるんだって。どういう許可を取ったのか、詳しくは知らないけど。ここは一部が防衛軍と共同管理になっている区画がどうこうで、物騒な資料品は建前上、防衛軍の管理を受けているとか、なんとか。」

「はぁ…。」

 ため息と共に、そう一言だけ返した茜だった。

「兎も角、そんな感じの部活だったんだけれど。わたしが入るまで五年くらいは、まともな活動をする部員も居なくなってて、幽霊部員の巣窟だったのよ。 わたしは『エイリアン・ドローン』に対抗できる装備として『パワード・スーツ』の可能性を研究したくって、この学校に来たのだけれど。それにはこの部活は打って付けだったのよ、兵器関連の資料も沢山あったしね。で、最初は一人で活動していたんだけれど。まぁ、活動って言っても理論研究だけ、だったけどね。」

「今は、こちらの部長と会計の私、あと三年生の副部長が今、顧問の立花先生と『本社』との定例会議に通信会議室へ行ってるわ。それから二年生が三人、隣の CAD ルームで図面作業をやってて、現在のテーマで活動しているのは合計六名ね。」

「あなたが入ってくれたら七名ね。」

 そう言って、鬼塚部長は微笑んだ。


- to be continued …-