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Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ bLOG です。

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STORY of HDG(第14話.08)

第14話・天野 茜(アマノ アカネ)とクラウディア・カルテッリエリ

**** 14-08 ****


 そこで、今度は九堂が、茜に声を掛けるのだ。

「茜、又、試験に向けて、勉強、教えてね。」

「又、お菓子、持って行くから~。」

 九堂に続く村上の発言を聞いて、突然、ブリジットが声を上げる。

「それよ。」

「え、何?ブリジット。」

 村上は、少し驚いて声を返した。そして、ブリジットは言う。

「中間の時に、茜に教えて貰ったの、他の人に話したでしょう?」

「ああ、うん…。何か、マズかった?」

「先週位(くらい)から、クラスの子がね、次々と部屋に来るのよ。試験対策で茜目当てにさ、B組の子まで。」

 茜達の所属はA組なのだが、B組も学科としてはA組と同じく『機械工学科』なので、専門教科に就いてはA組とB組の特別課程の生徒が合同で授業を受けるのである。だから当然、B組の生徒とは面識が有るのだ。
 そして、ブリジットの言に、九堂が苦笑いで所感を漏らす。

「あ~、広まっちゃった、感じ?」

 その言葉に対しては笑顔で、今度は茜が言う。

「それ自体は、別に構わないんだけど。唯(ただ)、皆(みんな)が、お菓子持参なのよね。 成(な)る可(べ)く、その場で食べてしまおうと、袋は開けるんだけど。 何故か皆(みんな)、その場で食べ切れない数を持って来るし、置いて行くし、で、未開封のが部屋に溜まっていく一方で。 今日の、このお菓子も一部、その中から提供したんだけど。」

「あはは、直ぐに腐る様な物でなけりゃ、貰っておけばいいじゃん、茜。 言っておくけど、茜に教えて貰うなら必ずお菓子持って行け、みたいに話した覚えは無いからね、わたし。」

 九堂は笑って、そう茜に言うのだった。続いて、村上も言う。

「皆(みんな)も、教えて貰うのに、手ぶらでは行き難いのよ。」

「そうそう。それに御要望と有らば、消費するの、幾らでも手伝うよ~。」

 村上に続いて、そう九堂が笑顔で言うと、そこで立花先生が割って入るのだ。

「お菓子の件は兎も角、茜ちゃんは自分の勉強をする時間は、ちゃんと取れてる?」

「ああ、それなら御心配無く。それに、人に教えるのって、自分の理解度の確認になるので。」

「そう。なら、いいけど。まあ、程々にね。」

 微笑んで応える茜に、立花先生は安堵(あんど)の表情を浮かべるのである。
 そこで、唐突(とうとつ)に樹里が手を打って、「あ、そうそう。」と声を上げた。続いて、右手を挙げて発言する。

「皆(みんな)に、連絡事項が有ります。もう発表していいですか?部長。」

 一応、緒美に許可を求めるので、緒美は頷(うなず)いて「どうぞ。」とだけ返したのだ。
 そして樹里は、嬉しそうに発言した。

「え~、四日ほど前になりますが、本社のラボで無事、Ruby が再起動したそうです。今日のお昼過ぎ、安藤さんから知らせのメールが有りました。」

 そう樹里が発表すると、飛行機部の三名と九堂を除いて、それぞれが歓声を上げたり、拍手をしたりするのである。詳しい事情が分からない九堂や金子達ではあったが、周囲のリアクションを見れば、それが吉報であった事は容易に想像が付いた。
 そして茜が、樹里に尋(たず)ねる。

「無事って事は、Ruby に損傷(ダメージ)は無かったんですか?樹里さん。」

「うん。再起動して以降、検査やテストをしてるそうなんだけど、今の所、不具合は見付かってないって。緊急シャットダウンした当日の記憶も、ほぼ完全に保持してるって書いてあったの。」

 茜へと応える樹里に、苦笑いの維月が言う。

「四日も前に再起動してたのなら、速報で、もっと早く教えて呉れたらいいのにね。」

「不具合や障害が見付かって、糠喜(ぬかよろこ)びにならない様に、チェックが終わる迄(まで)って思ったんでしょ?」

「それは、解るけど~。」

 そんな会話をしている樹里に、茜はもう一度、問い掛ける。

「それで樹里さん、Ruby は学校(こっち)へは戻って来られるんですか?」

「もう暫(しばら)くは、開発の方でテストとか、色々やる予定らしいけど…部長か先生は、何か聞いてます?」

 樹里は、緒美と立花先生に問い掛けるのだが、二人は首を横に振って答えた。

「わたしの所には、何も連絡は来てないけど。先生は聞いてらっしゃいます?」

「いいえ、何も。」

 立花先生の返事を聞いて、一拍置いてから緒美は言った。

「まあ、Ruby の開発目的が、わたしの想像通りなら、このあとも HDG と、わたし達に絡めて来る筈(はず)だから、その内、ここへ戻って来る事になるでしょう。心配は要らないわ。」

 その緒美の発言は、彼女の確信に基づくもので、気休めの出任(でまか)せではない。それは緒美の落ち着いた、何時(いつ)もの表情が物語っていた。だから立花先生が慌てて、注意をするのである。

「緒美ちゃん、開発目的とか…。」

 緒美は立花先生の声を、遮(さえぎ)る様に声を重ねる。

「解ってますよ、先生。物騒な事は、言いやしませんから。御心配無く。」

「物騒って…そうなの? わたしは、知らないわよ。ホントに。」

「そうなんですか? まあ、それならそれでいいです。何(ど)の道、話せない事ですから。」

 緒美と立花先生は、軽く腹の探り合いをしているのだが、Ruby の開発目的に関して立花先生が知らされていないのは本当の事だったのである。
 すると、直美が敢えて緒美に言うのだ。

「何(なん)だよ、そんな風(ふう)に言われると、その『目的』ってのが何か、気になるじゃない。」

 緒美はニヤリと笑って、直美に応えた。

「だから、言わないわよ。飽く迄(まで)も、わたしの想像だけど、当たってたらマズいから。って言うか、十中八九、当たってるから尚更、本社が秘密にしてる間は、話す訳(わけ)にはいかないの。」

 そこに、金子が参加して来るのだ。

「その『ルビー』ってのは、そんなにヤバい代物(しろもの)なの?」

「別に、Ruby 自体は、そんなにヤバくはないと思うけど…。」

 そう緒美が応えると、その横から恵が言うのだ。

「その開発計画自体が、国家機密レベルの案件らしいの。」

「ああー、そう言う話かー。」

 金子が大袈裟(おおげさ)に声を上げると、誰もが思う疑問を、武東が口にするのだった。

「どうして、そんな物がここに?」

 恵は、苦笑いして応える。

「それ、話すと長くなるけど?」

「あと、秘密の事項も増えるよ~。」

 恵に続いて直美にも言われ、武東は身体を引いて応えた。

「あ、いいわ。止めとく、ありがとう。」

 そして緒美が、ポツリと言ったのだ。

「賢明ね。」

 武東と金子は顔を見合わせ、互いに苦笑いを交わすのだった。それから金子が、何か染(し)み染(じ)みと言うのだ。

「しかしさあ…さっきから全般的に、話題が硬いよね。何時(いつ)も、こうなの?」

「こんなものよ、ねえ?」

 緒美が恵に同意を求めると、恵が応える。

「う~ん、何方(どちら)かと言えば、今日の話題は柔らかい方じゃないかしら?」

 すると、直美が声を上げる。

「だよね。普段は HDG のメカ仕様の検討だとか、図面のチェックだとか、テストのスケジュールとか、の話だもの。ソフト部隊は、もっと訳(わけ)の分からない話、してるし。」

 その発言を聞いて、樹里が抗議するのだ。

「あ~新島先輩、『訳(わけ)の分からない』は酷(ひど)いなぁ。ソフト仕様やデータ解析の話ですよ、こっちの部隊が普段してるのは。」

「あー、ゴメン、ゴメン。そっちの専門分野の事には、全(まった)く縁が無かったからさ、わたし。」

 そんな直美の言い訳(わけ)を、フォローするのは維月である。

「まー、わたしらがメカ図面見ても、さっぱり理解出来ないのと同じだからさ、樹里ちゃん。」

「それは、解るけどさ。」

 樹里が不満を残しつつも、維月には笑顔で応じる一方で、金子が声を上げるのだった。

「いや、だからさ。もうちょっと、乙女っぽいと言うか、青春的な? 何か、そんな話題は無いのかって。」

 その金子の発言に、笑って直美が言葉を返す。

「あはは、貴方(あなた)、『兵器開発部』に何を期待してるのよ?」

「飛行機部では、そう言う話をしてるの?」

 真面目な顔で、そう恵が問い返して来るので、武東も又、真面目に答える。

「飛行機部(あっち)は、男子も居るから。あんまり。」

「こっちは折角(せっかく)、女子だけなんだからさ、十代らしい女子トークってのが、有る筈(はず)じゃない? ねぇ、先生。」

 金子が立花先生に迄(まで)、話を振って来るので、当の立花先生は迷惑そうに応える。

「そんなの、わたしに言われてもね。」

 すると、恵が金子に言うのだ。

「立花先生に色っぽいお話を期待しても無駄よ、金子さん。先生は本社じゃ、仕事の鬼だったんだから。」

「えー? 森村さんが酷(ひど)い事、言ってますよ、先生。」

 金子の訴えに、苦笑いを返して立花先生は言うのだった。

「まあ、事実、そうなのよね。御期待に添えられなくって悪いけど。」

「え~。」

 少し過剰にリアクションをして見せる金子は、勿論、その場の雰囲気を盛り上げようと、自(みずか)らが楽しんでいるだけである。その事は周囲の者(もの)も、ちゃんと理解はしていて、そしてそんな具合で歓談は進行し、そのあとも一時間程、続いたのだった。


 全ての部活動が一旦停止となった翌日から、校内の雰囲気は完全に試験期間モードへと突入した。
 天神ヶ﨑高校には、基本的に全国から優秀な生徒が集(つど)っている事もあり、試験直前になって慌てる様な生徒は居ないのだが、それでも試験範囲の復習は当然の様に、各自が自発的に行っているのだ。
 特別課程の生徒の中には飛行機部部長の金子の様に、試験成績には拘泥(こうでい)しない者(もの)も僅(わず)かに存在したが、それは例外的な少数派である。彼等は『落第さえしなければ天野重工への採用が確約されている』と、そう考えているからこその試験成績軽視の姿勢なのだが、学習その物を怠(おこた)っている訳(わけ)ではない。
 例えば、金子の場合は、正式採用後に希望する配属先は『総務部飛行課』であり、テストパイロット職を目指しているのである。唯(ただ)、定期試験の科目には、その目標に直接合致する教科、航空関係であれば『航空法規』や『航法』、『航空力学』と言った科目が無いだけの話なのだ。勿論、数学、物理、英語、等の様に、パイロットとして必要とされるであろう科目に対しては、幾ら金子でも手は抜かないのである。
 寧(むし)ろ、間違って全ての教科で優秀な成績を残してしまうと、設計や研究等の『意に沿わない職種』へ配置されてしまう危険さえ有るのだから、金子にしてみれば自(みずか)らの将来を賭けての戦略的な手抜きを断行していると言えるのだ。
 同様に、設計製図に打ち込む者(もの)、プログラミングに打ち込む者(もの)、そんな風(ふう)に将来に向けて一芸を磨きたい者(もの)が、少数派だが存在しているのも、一つの現実なのである。
 とは言え、大多数の生徒は試験成績を重視し、それに因って採用後には希望する配置となる様にと願っているし、普通課程の生徒であれば希望の大学へ進学する為にと、それぞれが努力しているである。
 そんな事情も手伝って、茜の身辺は中間試験の時とは一転して、随分(ずいぶん)と賑(にぎ)やかになっていた。

 中間試験が実施された六月初旬頃は、何方(どちら)かと言えば、茜の処遇は級友達からは遠巻きにされている感じだったのだ。その当時に既に仲良くなっていた村上、九堂の両名からでさえも「天野さん」と呼ばれていたのが、その証左である。
 それは入学して早早(そうそう)に校内を駆け巡った、『入試の成績がトップだった』と『理事長の孫娘』の二つの噂話…その内容は事実なのであるが、兎も角、その言説が茜から、ブリジットを除く級友達を遠ざけていたのだ。その上で『兵器開発部』と言う、一年生にしてみれば何か得体の知れない、物騒な響きを持つ名称の部活動に参加した事が、追い打ちを掛けていた。
 そもそもが一年生達は、それぞれの地元でトップクラスの成績を誇っていた生徒達である。それぞれに大なり小なり、自信やプライドを持っていたであろう彼等・彼女等が、『入試の成績がトップ』だった生徒に、ライバル心を抱かない方が少数派だろう。
 そして茜が入学式で『新入生代表挨拶』の役目を任された事も、一年生達への心証に影響を与えていたのだ。学校側からすれば、単純に五十音順で姓名が一番最初の生徒が茜だっただけなのだが、そんな事情で『新入生代表挨拶』の役割が決まっている事を、その役を振られた当人以外の新入生達は知らなかったのである。
 そこに『理事長の孫娘』と言う情報である。この情報が決定打となって、多くの生徒に取って、茜には近寄り難い印象が確定してしまったのだった。つまり『新入生代表を任されたのは七光りで、ひょっとしたら入試の成績も、そうなのかも知れない。だとすれば、彼女は我が儘(まま)で世間知らずな、大企業の御令嬢、なのではないか?』と言った、マンガの様な人物像(キャラクター)が漠然とだが、しかし尤(もっと)もらしく構築され、多くの一年生の間で共有されてしまったのである。
 そうなると当然、そんな面倒臭(めんどうくさ)い人物とは関わり合いたくはないのが人情で、あからさまに敵対する事は無くても、遠巻きにしてしまうのも致し方の無い所なのだった。

 そんな状況に対する、当の茜本人は、と言うと。 悪意からクラス全体(但し、ブリジットは除く)から明確に無視されていた中一の時の経験に比べれば、「どうと言う事は無い。」と思っていたのである。
 遠巻きにされているとは言っても、無視されている訳(わけ)ではないから、話し掛ければコミュニケーションは可能だし、何か危害を加えられるのを心配する必要も無かったのだから、茜は気長に関係を構築していけばいいのだと、そう考えていたのである。勿論、同じクラスにブリジットが居た事も、十分(じゅうぶん)に心強かったのだ。
 そもそも他の同級生達に就いては、天神ヶ﨑高校に合格している時点で、人格的、能力的に一定のレベル以上の生徒だと保証されている様なものなので、だから茜は一切の心配をしていなかったのである。

 中学時代、それが公立校であったが故(ゆえ)に、唯(ただ)、同じ学区に住んでいただけと言う理由で集められていた生徒達の中には、生活の常識や考え方の差異が激しい者(もの)が居(お)り、時には『言葉は通じても、話が通じない』者(もの)も存在していたのである。なので、中学時代の生徒達は、それぞれが『話が通じる』者(もの)同士でグループを作り、他のグループとは衝突しない様にし乍(なが)ら、その中で学校生活を送っていたのだ。そのグループとグループとの間から弾き出されてしまったのが、中一の時に自分の身に起こった事件なのだと、茜は、そんな風(ふう)に当時の体験を理解していた。

 中一当時の茜にはクラスの中に所属出来る『グループ』は存在しなかったが、唯一、友人としてブリジットが存在していたし、当時入部していた中学校の剣道部は、学校内で茜が所属出来得る唯一の『グループ』だったのだ。実際、剣道部の先輩達は、茜のクラスでの状況を知って、『無視』以上の危害が加えられない様にと、色々と行動して呉れたのである。例えば、部活の連絡と称して度度(たびたび)、先輩達が茜の教室に訪(おとず)れて呉れたり、休憩時間のトイレだとか、昼食だとかの折(お)りにはブリジットと共に、『偶然』通り掛かった先輩達が同行して呉れたりしたのだった。それは、茜が『あの』一年間を乗り切る事が出来た、原動力の一つであったと言って良い。
 そんな具合だから、当時の茜と同じクラスに剣道部の部員が居なかったのは、偶然ではあるが幸いだった。もしも同じクラスに剣道部所属の者(もの)が居れば、その生徒は剣道部の先輩達と、自分のクラスとの板挟みになって、酷(ひど)く立場を難しくした事だろう。勿論、そんな事は、茜の知った事では無いのだが。

 茜に取ってみれば、そうした過去が有っての、現在の状況である。
 元来、人当(ひとあ)たりが柔らかく、面倒見(めんどうみ)の良い茜が、他人から嫌われる事は、余り無い。小学生の頃から剣道の道場に通っていた所為(せい)も有って、礼儀の面で大きな問題は無かったし、道場には年上の門下生も大勢(おおぜい)居たから、大人や年上の子供達とも男女を問わず接する術(すべ)を身に付けていた。だから、遠巻きにしている同級生達とも、一度(ひとたび)言葉を交わせば、茜が彼等・彼女等が思っている様な人物では無い事が、相手側には伝わるのだ。茜はそうやって、時間を掛けて地道に、同級生達の誤解や思い込みを、上書きしていったのだった。
 その上での、中間試験の順位発表なのである。その圧倒的な成績は、茜をライバル視する事が無駄である事を、殆(ほとん)どの生徒に対して印象付ける結果になったのだ。実際、中間試験での茜の順位を上回る為には、全ての教科の試験で満点を取る以外に方法が無く、だから大多数の生徒は茜の成績に対抗する事を放棄したのだった。それを諦めていないのを公言しているのは唯一、クラウディアだけなのである。
 そんな訳(わけ)で、大半の同級生は、茜を自分の学習強化に利用する方向へと、方針を転換したのだった。学校での授業の合間には、男女を問わず同級生達が入れ替わり立ち替わり、教科書や問題集を手に茜の元を訪(おとず)れては、質問を投げ掛けていた。放課後には女子寮の自室に、女子生徒達が頻繁に訪(たず)ねて来るのが続き、例によって茜とブリジットの部屋には未開封のお菓子が堆積(たいせき)していったのだった。
 とは言え、寮の自室への訪問者は、複数のグループが搗(か)ち合(あ)ったり、午後十時以降まで居座ったりする事は無く、どうやら利用者の間では何らかのルールが取り決められていた様子ではある。勿論、そのルールの存在や詳細に就いて、茜もブリジットも把握はしてないのだが。
 ともあれ試験前の一週間に、同級生達から提示された全ての問題に対して茜は解法を解説し、出題者達には「先生に聞くよりも、分かり易い。」と、好評を得たのだった。
 茜にしてみれば、複数教科の、複数の問題集をランダムに解いていた様なもので、それはそれで十分(じゅぶん)、試験に向けての勉強としては機能していたのである。
 そんな茜の事をブリジットは、「お人好(よ)しが過ぎる」と呆(あき)れて言ったのだが、茜はそれを意に留める事が無かったのである。

 

- to be continued …-

 

※この作品は現時点で未完成で、制作途上の状態で公開しています。
※誤字脱字等の修正の他に、作品の記述や表現を予告無く書き換える事がありますので、予めご了承下さい。