WebLog for HDG

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ bLOG です。

Poser 用 3D データ製品「PROJECT HDG」に関するまとめ WebLog です。

HDG-Akane改修・180303

「BRR93 Ver.2」の本体が出来上がったので、「Akane」用に両手保持のポーズを作ってみよう~と作業を始めたのですが。
 以前から気にはなっていたのですが~肩周りの可動による変形が今一つ気に入らず。
 そんな流れで、ここ二日ほど、「Akane」フィギュアの肩周辺の関節設定を Joint Editor での調整にトライしておりました。
 先ずは、調整前、「Akane Ver.2」フィギュアで「BRR93 Ver.2」の両手保持ポーズをレンダリングした画像。

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 これだけ見ると、そんなに変ではないかもですが~次に、今回調整した「Akane Ver.3」フィギュアにて、同じポーズで、カメラや背景、ライティングは同条件でのレンダリング結果。

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 並べて見ても、違いがわかりにくいかも、なので~「Ver.3」の画像に「Ver.2」を50%で重ねたのがこちら。

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 矢印を描き込んだ部分で、形状が変化しています。
 同じシーンを別アングルでレンダリングしたのが次の画像。先ずは「Ver.2」。

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 左肩の背中側がゴツゴツしているのが、気に入らないのですが~これが「Ver.3」になると。

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 ちょっとスッキリしたラインになるんですが~解りづらいかもなので、再び「Ver.3」に50%の「Ver.2」を重ねたのが次の画像。

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 左右の肩が少し盛り上がって、背中のラインがスッキリした感じになりました。
 銃を構えたポーズでは何を気にしているのかが、今一つ伝わらないかも知れないので、もっと解りやすいポーズにて。
 肘が前を向いた状態で腕を肩より上に上げる、と言うポーズが、一番、肩や脇の形状が崩れやすい「きついポーズ」なので、それを従来の「Ver.2」フィギュアでやってみたのが次の画像。

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 画像中に赤丸で囲んだ部分が、気になる箇所でして。先ず、腕の付け根の背中側の出っ張り。次に、脇の前側で胸の上から肩に掛けてのライン、ここはもっと内側によって欲しい所。そして、肩の上側の窪み、ここも本来はもっと内側に盛り上がって欲しい形状。
 これらが「Ver.3」では次の画像のようになりました。

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 肩幅が小さくなったような印象を受けるかも知れませんが、ボーンの位置とかは弄ってません。実際、ここまで腕を振り上げると肩の位置も上がっているので、肩幅は小さくなるはずで、「Ver.2」の時のように胸の上部分の幅が、腕を降ろしている時と同じ幅(※オブジェクト的には実際は少し広がっている)なのが違和感の大元なのです。
 で、例によって「Ver.3」の画像に「Ver.2」の画像を重ねると、次の画像になります。

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 調整によって、可成り変わっている事が分かります。
 関節の回転による変形を希望通りに制御するには、モーフを作って、関節の回転と連動(※JCM:Joint Control Morph)させて~みたいな事を普通はやるんでしょうけれど、「Akane」の場合は極力軽いフィギュアを目指していたので、なるべくそう言った方法は採らない事にしていました。唯一、膝を深く曲げた時に太ももが潰れるのだけは、JCM を利用していますが、ここは膝が一方向にしか曲がらないので制御が単純だったので JCM を採用したのです。
 肩はいろんな方向に曲がる関節で、尚かつ、Collar と Shldr、二つのボーンの影響を受けるという複雑さなので、JCM で制御しようとすると複数のモーフを用意する必要が有りそう。それだけ、フィギュアが重くなるので、それは避けたいと言う事と、モーフ・キャラで各ボーンを拡縮した場合の影響が読み切れないと言う事もあって、この部分の JCM 採用は避けた訳です。
 さて、それでは、今回はどうやって調整したのか、と言う事ですが。Joint Editor の「Bulge Settings(※日本語版では:膨らみを適用、となっているのかな?)」を利用しました。

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 この設定は以前はあまり役に立たなかった項目だったので、気休め程度にしか利用していなかったのですが。「PoserPro2012」以降(※PP2010以降、だったかも?)、「Bulge Settings」にウェイト・マップが適用出来るようになっていたのを思いだして、これを利用してみた訳です。

 以前は設定した倍率で膨らませるか凹ませるかしかできず、その範囲も自由にならなかったので、あまり使い道のない機能だったのが、ウェイト・マップで影響の強度と範囲が指定出来るようになると、想像以上に使える機能に変わっていました。これならよほど複雑な変形をするのでない限り、JCM は使わなくて済みそうだ、と言う事で、意外な所で Poser の進化を実感いたしました(笑)。