Pixiv 版は縦書き対応になってます。 宜しかったら、こちらもどうぞ。 「STORY of HDG （序章）」/「motokami_C」の小説 [pixiv] http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6359247

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-13 **** 部室を出た後、茜が外階段を降りる足音が聞こえなくなった頃、立花先生が口を開く。 「しかし、凄い人材が居たものねぇ…あ、これで、各学年の成績トップが揃っちゃったわ。三年生の緒美ちゃんに、二年生の樹…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-12 **** 「ジェネレーターの配置案ですよ、ディフェンス・フィールドの。新島先輩。」 「去年の終わり頃から、部長を含めて四人、ずっと悩んでたものね～。」 瑠菜が鬼塚部長に代わって、新島副部長へ説明すると、佳…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-11 **** 「それで今、一つ、困ってる事が有るのよ…HDG に、このディフェンス・フィールドのジェネレータを、どう配置すればいいのか。成（な）る可（べ）く大きな面積を持たせたいんだけど、あなただったらどうする…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-10 **** 「天野さん、あなたにもう一つ、見ておいて貰いたい物が有るの。」 鬼塚部長はメンテナンス・リグの傍（かたわ）らにある、キャスター付きのフレームの前に立っていた。そのフレームには 50 センチ四方程の…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-09 **** 「ちょっと、こっちへ来て。」 鬼塚部長が、茜を手招きしている。 「それ、3D スキャナーですか？」 「そう。あなたにドライバーをやって貰うには、インナー・スーツ用に関節位置の三次元測定データが必要な…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-08 **** 「わぁ…傍（そば）に来ると、矢っ張り大きいですね…えっと、何でしたっけ？」 「LMF。」 格納庫フロアに降りて来た鬼塚部長と茜は、奥側の階段から中央方向へと歩いていた。目の前には『LMF』が駐（と）めら…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-07 **** 「あちゃ～…会長の御令嬢にテスト・ドライバーさせるのは、流石に不味（まず）いんじゃない？鬼塚。」 新島副部長は仰（の）け反（ぞ）って天井に目をやる。 「ねぇ。本社の協力部署が、どう言う反応をする…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-06 **** 「えっと、それじゃ入部の手続きとか…。」 「あぁ、入部届の用紙を渡すから、明日にでも書いて、持って来てくれたらいいわ。」 「いえ、入部届の用紙、今日、配られたのを持ってますから。大丈夫です。」 茜…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-05 **** 「所で、天野さん…。」 鬼塚部長が、茜をじっと見詰めつつ声を掛ける。 「…あなた、スポーツか何か、やっていた？」 唐突な質問に少々面食らいつつ、茜は答える。 「あ、はい。剣道をやってましたけど…でも…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-04 **** 「手前のメンテナンス・リグに乗ってるのが HDG なんだけど…ここからじゃ、良く見えないわね。 茜は窓越しに試作機を見ようとしていたが、二階に有る部室から見下ろした HDG は小さく、細部や具体的な形状は…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-03 **** 「最初はね、在学中に基礎理論だけでも確立して、入社したら計画を提案出来るチャンスが有るかしら、って思ってたんだけど。まさか、二年で試作にまで到達するとは、思っても見なかったわ。」 「試作機が有…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-02 **** 「勿論。うちは『兵器開発』を目的とした部活だもの。あなたは、介護用や産業用指向だったのかしら？」 「いえ、勿論、そう言った方向の技術も、必要だとは思いますけど。わたしが、興味が有ったのは、兵器…

第1話・天野 茜（アマノ アカネ） **** 1-01 **** 『兵器開発部』 そう書かれた看板の前に、彼女は立っている。そこは、校舎と校庭の南側に在る滑走路脇に三棟並んだ格納庫の内、東側に位置する『第三格納庫』の外階段を上がった二階に有るドアの前。 スゥっ…

序章 天野重工付属天神ヶ崎高校 **** 0-03 **** もう一つ、重要な背景であり舞台である『天野重工付属天神ヶ崎高校』に就いて、記しておかなければならない。 その名称から推測出来るかも知れないが、それは民間企業である『天野重工株式会社』が、主に自社…

序章 背景となる状況 **** 0-02 **** 『エイリアン・ドローン』の主たる攻撃目標は、『人工建造物』であると云われている。 当初、『人類が迎撃行動を行うから、エイリアン・ドローンが破壊行動を起こすのだ』と論じる意見が有り、とある政府が迎撃行動を見…

序章 背景となる状況 **** 0-01 **** 西暦2066年5月7日金曜日。衛星軌道上に『エイリアン・シップ』が出現した事が、全ての事の起こりである。 直径が、凡（およ）そ10キロメートルに及ぶ巨大な母船から、地上各地に機動兵器が降下し、これらが数カ国の主要…

年も改まり、2016年がスタートして早くも二週間が経過。 そんな折ですが～昨年末に、「HDG」のお話について、ようやくラストまでの展開が定まりました。 そんなわけで、年明けから 3D-CG のモデル製作の合間とかに「STORY of HDG」として、小説ような形式で…